森本

ここは、彼女の魂が溶けた愛おしい世界
★結末が分かったとしても、この作品の魅力は変わらないと思われるので、ネタバレしています★ 主人公である「僕」は、自ら造り出した真珠のような人形と、ただ一度だけ結ばれます。 その美しい経験により、彼の心境に変化が訪れます。 『ここは、彼女の魂が溶けた愛おしい世界』 人形と結ばれる以前の彼は、完全に自分を見棄てていました。その結果として周りに嫌われ、彼のほうでも徹底的に周囲を憎んでいました。 そんな彼が、唯一自分を慕ってくれている瓶詰めの人魚と結ばれ、人魚の死を見届けたとき、上記の変化が起こったのです。 彼はもう周囲を憎んでいません。彼を取り巻く環境がどれだけ変わるか、作者様は明記しておられません。ただ光のうちを歩む彼の姿を端的な言葉で記しておられるだけです。 韻々とした余情を残す上質な物語を読ませていただき幸せでした。作者様、この作品を書いてくださってありがとうございます。
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お読みいただき、ご感想までいただきまして、ありがとうございます。 人にとって、「どうしても受け入れがたいもの」は必ずあります。彼は望んでそんな存在になったわけではないはずで、生まれた時は他の人と同じ純真でまっさらな人間だったと思います。 彼を醜悪な存在にしてしまったのは、彼だけの罪ではないはずですが、苦い思いを負うのは、やはり本人なのでした。 彼の唯一の救いは、あまりにも儚い人外でしたが、姿形がなくなってもこの世に永遠に溶けております。 この世界でなら生きていける、と彼は思うけれど、実は、彼を救ったのは彼自身に他ならない。他者を愛する源は、常に自分の中にあるのだと思っております。 お読みい
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返信ありがとうございます(^ー^)。 「他者を愛する源は、常に自分の中にある」、私もそう思います。 尊い作品を拝読できて幸せです。ありがとうございましたm(__)m。
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