美しい色彩
桔梗、明智光秀の旗印、美しい水色、鬼と呼ばれた大男の瞳の色。ツノのない鬼、南蛮人なのでしょうか。 茜色の空、美しい母の白い肌、火縄銃の赤い火花、色彩あふれる上質な絵本のようです。 「腹の奥底にお日さまのようなあったかさがしみわたる。それがいつの間にか胸の奥にまでひろがり、それはいつまでも消えなかった」 名文だと思います。 牛若丸は弁慶を技でねじ伏せ、ダビデはゴリアテを殺します。でも、この童は鬼を恐れない。鬼のことを知るまでは、先入観で悪者だと決めつけない。フェリーニの「道」のジェルソミーナとザンパノ、リュックベッソンのマチルダとレオンのように心に刺さります。 美しいラストの描写も素晴らしい。
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ジェルソミーナ、随分子供の頃に見た記憶があります。 心の震える話でした。 その美しい名前だけで涙が出そうです。 僕の心の奥の名作たちと比べられては、本当におこがましいのですが、 あの美しくも切ないシーンがたやすさまの心に少しでもよぎって下されば、これに勝る幸せはありません。 「桔梗の谷」読んでいただけて本当にありがとうございました。
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