さかしま

小説とは何か。と、問い続けることだけが小説たり得る。ベルグソンはうまいことを言った。「うまく問うことができれば、それが答えだ」と。というと、僕がまるで哲学に詳しいみたいに見えるかもしれないが、小林秀雄の受け売り。というと、僕が小林秀雄に精通しているようにも見えるかもしれないが、それも単なるスノビズムだ。 それで、今や言葉を信用することはできない。言葉とは何か。と、それを問い続ける言葉しか使うことはできない。普段の生活は別として。いや、普段の生活でもそれをやることが、本当に生きることかもしれないが(なかなかそうもいかない)。 こんな不安感はカフカから始まった。カフカ以前から、人はカフカのように不安であるべきであったかもしれないが。とにかく、カフカで人はそこに気づいた。カフカに起こされた。ヌーヴォー・ロマンには様々な手法があるが、どれもカフカをどうにかするためのあがきではないか。僕は、どうするか。
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