五感を刺激する傑作
「良い文章は五感を刺激するものだ」とはよく言ったものです。 この物語には、余すところなく刺激させられました。 何よりも「口」の刺激は凄まじく・・・作中に出てくるご飯の数々が美味しそうすぎて、描写がいきいきとしていて。軽く飯テロ小説でもあると思います。 またその「口」の刺激に至るまでには「手」と「鼻」の刺激があり、手先から足先までどっぷりとつかれる最上の物語でした。 またキャラクタも非常に魅力的で。 中でも主人公である茉莉が本当にいい子で。近年稀に見る清涼感を持った主人公でした。日常を大切に丁寧に暮らしている少女というのは、見ていて清々しいですね。 ここまでのいい子を主人公に据えると、物語が説教臭くなりがちなのに、まったくそれがないのは、彼女のバックグラウンドがしっかり書き込まれていたからだと思います。最初に家族を描いてそこから彼女が独り立ちし、問題に立ち向かう中で「目的の答え」を見つける。見事な構成です。 彼女の周りを彩る登場人物たちもこれまた魅力的で。ネタバレになってしまうので言及はしませんが、某人物の気持ちにもリアリティがあったなと思います。 わたしは物語は「人間」の成長を描くものだと認識しています。その意味でも、総じて人間力の高い作品でした。 素晴らしい読書体験をありがとうございました!!
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素敵な感想を賜り、ありがとうございます! 某人物というのが気になりますが…。 戸沢くんもわりと人気あって嬉しいです。 美味しいご飯があると、それだけで幸せになれます。 だから、彼女はその小さな幸せを全国に届けたいのでしょうね! 最後まで精読していただき、ありがとうございます。

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