葛城 惶

ロレンスとの出会いを呼び覚ましていただきました。感謝です
 とてもとても若い頃、私の部屋には1枚のポスターがありました。  背景はなく、純白のアラブ衣装のイギリス人が遠くを見詰めておりました。  当時、高校生だった私は東洋文庫から出ておりました『智慧の七柱』を大事に大事に読んでおりました。 受験を機に西アジアを目指したのですが、現地の戦乱で果たせず、 しぶしぶと机上でパレスチナ問題に取り組みました。 しかし、かの地に戦乱は止まず、湾岸戦争が勃発し、サダム-フセインが革命を起こし、アル-カイダ、3.11からISの占領から壊滅へと、アラブの平穏は、ロレンスの時点から未だ達成されぬままです。  むしろ、ロレンスの煩悶そのものであった大国のエゴに未だ傷付き続けている。  現代では、アカバもダマスカスも荒れ果てて訪ねることも出来ません。  この作品に出会い、若い頃、夢見た『智慧の七柱』の世界がまざまざと呼び起こされました。  ロレンスの活躍-葛藤を見事に復元していただき感涙に耐えません。おそらく、ロレンスとファイサル王子の関係はきっと、作品と限りなく近いものだったようにも思えます。  私がロレンスと出会ってから、はやン十年になります。が、死ぬまでには必ず、パレスチナに、エルサレムの地に行きたいと思っています。というか、私の死場所はそこでなくてはならない。  ロレンスの目指した『アラブの解放』の残り香すら残らない今でも、その夢の後先を見極めたい。  作品を拝読させていただき、決意を新たにさせていただきました。ありがとうございます🙏
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エブリスタの片隅のBLに、とてもあたたかいコメントをありがとうございます。こちらこそ、感謝感謝です。 詳しく知っていらっしゃる方には、過不足いろいろあると思います。冷や汗が出る思いです。 小説を読むのは楽しいですが、資料に埋もれるのも楽しい時間だったことを思い出します。
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