八神ユーリ

『異世界テンイ!』〜略〜…続きの続きの続き。 ーーー 「うわ、また!なんだ?いったい…」 不動の姿勢のまま辺りを見渡すも特に収穫が無いまま、またロボットがダメージを受けて倒れる。 「リョウ、受けるダメージが少ないとは言えこのままで厳しいぞ」 「分かってる!だけど、敵の姿も見えない状態でどうしろって言うんだよ」 おじいさんの警告に涼は焦ったようにコントローラーを握る手に力を込めた。 「っ!こいつ…!一定の間隔で攻撃して来やがって…!もう無視だ!」 4度目の攻撃に涼は怒ったかのようにロボットを進める速度を上げた。 「…ふう、途中から諦めてくれて助かったぜ」 ダンジョンの奥に更に進み、3Fに着いた所でコントローラーから一旦手を離して一息吐く。 「あの調子であと2〜3回ダメージを受けていたら壊れていたかもしれんな」 「ったく、結局なんだったんだ?正体が分からんまま降りて来たが…」 おじいさんも安堵したように息を吐き、涼が不思議そうに首を傾げる。 「まあいいか、とりあえず3Fだ…次のフロアにいるボスを倒せばこのダンジョンはクリアだな」 気を取り直したかのようにコントローラーを持って新しい場所を散策するかのように進む。 「…うーむ、やはり敵も少しばかり強くなってるぞ…最初みたいに一撃では倒せんヤツも出てきやがる」 「リョウ、分かってると思うがさっきの場所でダメージをもらい過ぎている…一撃でも当たれば即致命傷になりかねんからな」 新しく増えた…豚とモグラを足して2で割ったような魔物を見て眉を潜めながら言うとおじいさんが再度警告した。 「分かってるって…ん?あれは…?」 敵に囲まれないような位置どりをしつつ各個撃破しながら進んで行くと…涼が何かを発見する。 「…人、だよな?」 「新米の冒険者かもしれん」 何かに近づくとどうやら人が倒れていたらしい。 「えーと、敵は周りに居ない…で、音声のスイッチは……あ、あ…大丈夫ですかー?」 ロボットのレーダーや目視で周りを確認して倒れてる人に声をかけるも反応は無い。 「死んでる…ワケはないか、流石にこんな所で死人が出るハズが…」 ロボットの剣をしまい、操作方法を変えて倒れてる人をひっくり返し…胸に手を当てて息をしているか確かめた。
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