さかしま

景色を見ながら、景色に見られている。 景色が目を閉じる。 私には何も見えなくなる。 泉が出て行く。心の中から、永遠に、だから私は二度とそれを思うことができない。 それを思うことが。 それ? それとはなんのことだろう。 ところでロバが道を歩いている。 一体どうしたのだろう、とわたしはのんきだ。他の人たちに比べると。スカートを食べられて悲鳴をあげる女、恐る恐る近づいて、ロバが動くと急にびっくりして逃げていく子供、パトカーも来た。 一体このロバはなんなのか。 ロバは暴れはじめる。 そのとき、泉が戻ってきた。 ロバを沈めて、消滅した。
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