女性の芯の強さ、しなやかさが表現された秀作
本作は恋愛小説ではあるのですが、私が最後まで読んだ感想としては『女性の強さ』が強く印象に残りました。 主人公・芽生はごく普通の、どこにでもいそうな大学生の女の子です。 本編では2回ほど、心身にショックを受けるほどの大きな傷を負います。 しかし、それを他人や何かのせいにするのではなく、自分のやるべきことを受け止めて、真っ直ぐに進んでいきます。相手のことを憎んだり、やり返したりもせず、ただ自分のなすべきことをしていく。 そんな芽生を見て周囲の人が自然と味方になってくれる様子が、とても丁寧に描かれています。 そして、芽生が進んでいく過程で、周囲で悪化していた人間関係までも、修復に向かっていくのです。 嵐のような運命に傷付けられても、自分の使命を受け止めてしなやかに生きる。 芽生の生き方はまるで、ただ可憐に野に咲いていながらも、人を癒す芳香を放つラベンダーのようです。 惚れた腫れたの恋愛小説ではなく、凛とした一人の女性の生き方の物語として、男性にも是非おススメしたい作品です。
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素晴らしい感想をありがとうございます。 この作品を読んで愛してくださったことは、本当に嬉しくて幸せです。 芽生はラベンダーのようだという感想は、これ以上ない賞賛の言葉です。 心から感謝しております。
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