Hatahuta=Returner

ちょっとした時間になんとなく読みたくなる良作(1/2)
重すぎず軽すぎず、各々が主張しすぎない部分が後味が良く素敵でした。 登場人物のキャラクター性や魅力をメインのストーリーラインに絡めてしっかりと描写できている印象。 各キャラクターの描写バランスも、この長さの作品であれば十分なレベル。 おそらく大半の読者は好みの登場人物を見つける事が出来るのではないだろうか。 ただ、以下の理由からその面白さを享受する為に超えなければいけない壁がある為、現状は「少し我慢して読み進めて」と前置きしておく必要がある。 (ここからは察しが良すぎるとネタバレになるので未読の場合は、以降を読み進めない事をオススメする) 冒頭から「踏み出す勇気も、現状維持のため~」という何を言っているのか判然としない文章があったり、 「相手はライバルのいる年下の幼馴染」が「親友のマサキ」であるのように公然の事実では無い事を当然のように伝える文章があったりとストンと落ちない部分が散見される。 誰だよこのメールチョイスしたスタッフ、というコメントが後のストーリーと合わさると変な話に。 後は少なくとも私個人は冒頭の失恋とラジオの内容が類似しすぎて、一瞬でよく似た別の作品に飛ばされた感覚に陥った。背景が語られるまでその異物感が解消され無いので人によっては読み進めるのが苦痛なのではないかと思う。 登校時にいる二人の内一人が真昼である事を理解するのは最初は当然は無理で、校門前でやっと名前が出てきて姉と呼ぶからには妹と読み取ることができる、だが登場人物全てが姉という単語を使用するため、読者側で少し整理が必要なのは不親切に感じる。 これについてはこの部分だけの問題で人物像や相関図が出来上がってくる頃には同様の問題も起きないため、いたしかたないと割り切る事もできなくはないが‥‥。 他、姉が手伝いの話題を主人公にする際も最初は誰宛の話題か良くわからず、その後のバイトの予定云々という一人称の情報で読み取る必要がある、というところまでいくとさすがに指摘しすぎに感じるが、冒頭導入部分の不親切さから気にならなくても良い部分まで気になってきてしまう。
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「踏み出す勇気も、現状維持のため~」は普通にミスです、ご指摘ありがとうございます。 修正しておきます。

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