優美香

正直に言いますわ。 ライト文芸本売り場は「金沢」「京都」「鎌倉」地名がついたものメッチャいっぱい。 購読する側の心をとらえて離さない書き手さまが、これまたトレンドな地名を冠にしてオサレでキュートなストーリーを作れば、現代の町おこしよろしくますます売れる。素敵だ。 書き手さまにとってもロケーション舞台にとっても非常にナイスな関係としか言いようがない。 さて、ふっと思ったのだが。 「大阪」舞台のライト文芸って、なんかあったっけ? 文豪・谷崎潤一郎さまの「細雪」って大阪でしょ、でも「船場」って生活圏内にはない地名だから、わたしみたいな教養のない者にはピンとこない。 もともと、あやかし純情きつねうどん。これ頭の中で舞台を作ってたんです。 脳内架空タウンのそこで書き進めていたものだったのね。 それが上手く行かなくなってきた。なんでだろう、もうちょっとなにかを前面に押し出してみた方が書けるようになるんだろうか? そんなこと一ヶ月くらい、ずーっと考えてたんですよ。 「原点に返ろう」 と思って、まあまあ知っている「お初天神」をタイトルの上に載せてみることにしました。 タイトルは作品の顔、と申します。 言葉のリズムも悪くない、これ悪くないかも……と思って、ほくほくしながら書くことにしていたら、なんとなくテキストが埋まるようになってきました。 書いているうちに、段々とロケーションが広がってきました。 太融寺は知っていたけど、そこに淀君の御墓があることを御存知ない方もいらしたことが最近になってわかったりとか。 わからないところは休日に現地に行って写真を撮ってきたり。 そんなことしながら心を込めてテキスト画面を埋めていました。 話を戻しますが たまに本屋に行くと「大阪」と冠言葉が付いた本は、ガイドブックの類いが多いですね。 でも、そうじゃなくって。 東梅田のとてもコアな場所……露天神社周辺を舞台にして書いている拙作が、書籍になって本屋に並ぶ夢を見ます。 残念ながら表紙絵はハッキリと分からないけど。 ケンちゃんのふんわりした笑顔の香り(お風呂上りの石鹸の匂いみたいな感じ)が鼻先をかすめて、目が覚めたりします。  大阪でも、もっとメジャーな「北新地」「北浜」とかは、もっさりしたわたしには描けませんw ちょっと泥臭くてゴミゴミしている東梅田周辺、結構好きなんですよね。わたしw
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