りかりー

りかりーと申します。 いつも応援ありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 感謝です! 『若恋』クリスマスの恋 一年前のクリスマスイブの夜、わたしは初めての恋をした。 その人とはもう二度と会えないけれど、 わたしの心の中には今も想いは消えずに残っている─── 旅行でひとり道に迷うわたしって……ああ、なんて惨めなんだろう。 携帯電話は落として画面は真っ黒になっちゃったし、おまけに雪がちらついて服は濡れ、持っていたはずの財布はいつの間にかなくなってた。 寒い…… 路地で丸まって、息を吹き掛け寒さをしのいでいると、後ろで不意に雨を弾く音が聞こえた。 振り返ると、そこには傘をさした男の人が立っていた。傘の中からわたしを覗き込む。 「ずいぶん濡れてるな。このままだと風邪をひく。車に乗せて───」 手が伸びてきて。 逃げなきゃ…… 「あ、おい!?」 雪がちらつく路地から飛び出した。 パァーン トラックが目の前に!! 「突然飛び出すな!ちゃんと前見ろ!」 腕を引き戻されて心臓がバクバクいってる。 もう少しでトラックに轢かれてペチャンコになるとこだった…… 座り込んだわたしに傘をさしかけてくれた人は、困ってたわたしを助けてくれようとしていただけだった。 ホッとして立ち上がろうとして、 ズキッ 足首を捻って歩けなくなってた。 「もしかして、捻挫か?」 ひょいと抱き上げられて、わたしは大きな屋敷に運ばれて手当てを受けた。ひどく挫いたらしく、しばらくは安静にと言われて途方にくれた。 ホテルは予約してたけれど、歩けない…… 「部屋ならうちにいくらでもある。動けるようになるまでここにいたらいい。医者にも安静にと言われただろう?」 その言葉に甘えてお世話になることに。 その人の名前は浅野蓮さん。 蓮さんは熱を出したわたしを看病してくれて、屋敷の女性たちもいろいろと気遣ってくれた。 「若さまが、さやかさんをお連れになった時にはビックリしましたわ。ねえ?」 「そうそう、とても大切そうに抱き抱えてらっしゃって……熱を出された時には自ら看病までされて」 お屋敷の女性たちは目を細めて笑った。 「若さまはお好きなのですね。お嬢さんのこと」 え? ドキンと胸が鳴った。 続く
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こちらこそ素敵なプレゼントありがとうございます☺️ 続きを楽しみにしてます✨

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