みぐ

恋も切なさも過ぎてみれば、それは青春の一コマ。それを俯瞰した視点で感じる作品
この物語は冒頭から、主人公の理花(ことは)の視点で語られていきます。子供の頃から沢山の疑問を持っていた彼女は蟻や地下水の調査を好奇心の赴くまま行うちょっと変わった女の子でした。それを面白いと思った友達の薫子がWeb小説に投稿したりしていました。 ある日、映研の脚本の作成をイケメンの男子“大智”に頼まれた事から思わぬ展開が進んでいきます。そして不意な事から薫子と脚本を書き合ってお互いテスト演技をすることに・・。 そんな中で理花がアスペルガー症候群という噂が流れてしまいます。自分の弟の慎吾がアスペルガー症候群だった大智はそれを論理的に否定すると共に普通と違う行動をとってしまうこの症候群の人達の事を理解してくれるとクラスのみんなに訴えます。 そんな慎吾は大智の元カノとの確執を通して、自分自身でそのトラブルの解消に貢献することで、アスペルガー症候群である自分にも自信を持てる様になります。 そしてエピローグで慎吾はその能力を活かして世界で活躍する人物として飛躍していきます。 このストーリーは理花の大智との恋愛がその柱となっていますが、もう一つの柱としてアスペルガー症候群の慎吾の成長が描かれていきます。アスペルガー症候群を病気や弱みでなく、それを人の個性や強みとして描いていく、作者の姿勢にはとても共感させられますし、読者は大きな感動を味合うことが出来るのです。 そしてエピローグでは慎吾が制作した映画のストーリーが語られていきます。この映画のお話だけでも一つの物語を紡げる様な綿密な造り込みがされており、読者はそのエンドロールで深い感動を噛み締めることが出来ます。 またもやマスカレードさんの代表作の一つとなったこの作品、是非、皆さんも御自分でお読み頂きたいと思います。理花の視点を通して彼女に感情移入し一喜一憂し、そして後半はアスペルガー症候群に対する価値観を大きく変えながら、エピローグの映画の感動に涙することが出来ます。 マスカレードさん、素晴らしい作品をありがとうございます。 次回作もお待ちしています!
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みぐさん、お忙しい中、素晴らしいレビューを書いて頂き、ありがとうございます。 何とか年内に書き終わることができました。これも、応援して下さったみぐさん始め、皆さまのおかげです。ありがとうございました。 「切り取られた季節」と同じ題材を扱いながら、純文学とコミカルなライトノベルに書き分ける挑戦をしたのですが、この作品を中断して、シリアスものを書いたので、再びリズムに乗るのが大変でした。 みぐさんに、弱音を吐いては、励まされ、何とか頑張って仕上げることができました。いつも見守って下さってありがとうございます。感謝いたします。
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いつも応援してます! うん! 掃除が終わらない、みぐより!
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