昼月

『竹の花咲く恋』 シンとユキの馴れ初めのような話で、予定より中身をかなり削りました。 それでも長い…。申し訳ありません。 しばし二人にお付き合い頂ければ幸いです。 この『竹の花…』というタイトルについて。 竹の花というものは滅多に見られない代物で、数十年から百余年に一度咲くか咲かないかというほどの珍花だと聞いた事があります。 竹の花が咲く時の多くは、凶事の前触れとされているそうです。 それと申しますのも、竹の花が咲き、それが枯れる時には、その場の竹がまとまってごっそりと株ごと枯れるそうでして。 不思議なのは、株分けや挿し木で繁殖させたものも、親の竹が枯れる時期とまったく同じ時に、花を咲かせて枯れてしまう事です。 挿し木として切り離しても、死する時を同じくする…。 なんとも奇怪な現象だと思います。 彼らの想いは、竹の花なのか否か。 さて―――
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