漆宮玄行

(ほんまのつぶやき) 「その肉は、ワイバーンでございます」  去年の今日、草稿が完結した。プロットに三日。それから深夜のアルバイト先で魔法詠唱の呪文考えてた。書き始めから1ヶ月で12万字かき上げ、2月3日〆切りギリギリまで寝かせて最終チェックして参加登録したから、4日から半月ほど身体がおかしくなったのをまだ憶えてるw。 「その街道はベヒモス~」は、受賞前に★くださった読者様用の報恩編やったから続編と銘打ったのは、その場のノリやった。  いただいた書評で「よみやすいとはいえない」って評価以外は、漫画の話と車メーカー事(キャラ名の借用)のツッコミだけで面白かったのかどうかわからんまま。で、最終的にすねたのか、ほっといた感じ。  1年経ってその間、手直し3回。PV6万3000余り、★400獲得はひとえに読者のご厚情。ほんまに感謝してる。ぶっちゃけ、救われた。  ただ、これを「つべこべ言わんと、はよ続き書かんかいっ!」という暗喩解釈は、精神衛生のためにあえてしないでおく。  結局、続編書くかは自分の胸先三寸やねんけど、もう一回自分に魔法をかけられるかどうかは小説の神様しだいかなあ。うん、勉強怠けてる。  序盤は、政治的な魔法抑止力問題やけど、もうある。けど、そこから膨らませていくキャラエンジン・展開動力となるキャラと事件が足りない。  そもそもアルト個人が魔法を使えない劣等感から魔法を求めても、双子一役の無能魔術師が、魔法世界ではもはや魔法そのものを否定しかねないだけの強さと知性を備えているというチート。この二面性を抱えつつ他の優秀な魔法使いや悪の陰謀を翻弄していくから痛快だと思ってる。  その上で、世界破滅を目論む魔術師を追うが、この魔術師がなぜか魔法を使わない旧時代の呪術機構を使って一刻を窮地に追い込んだことで、アルトが犯人にシンパシーを抱き始めているという裏事情まで読み取れた読者は、おそらくそう居てないはず。いや、おるかw  この作品の受賞は、私にとって「小説を書いててええでっ」という切符をもらった気がした。他の長編懸賞に比べたら安い五万円で、すぐその月の家賃に溶けたけどw、今でも心に重い「何か」をのこす五万円だった。
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