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潜水艦7号
アヤミハビル
2020/1/26 16:30
5回目です。 言われた時間にダンヌ浜に行くと、老人が立っていた。白髪で、白の袴姿である。体全体をオーラが包んでいる。「龍宮神様でいらっしゃいますか」「そうじゃ。初めに話しておきたい事がある。日本列島と南西諸島がアジア大陸とつながっていた頃の話じゃ。古代琉球王朝レキオは数千年に渡って栄えていた。お前はその王家の子孫である。氷河期が終わり、レキオの大部分が海に沈んだ。その後、第二尚氏の時代に一時は栄えたが、近年、苦難の道を歩んでいる。我が技を修練させることに依って、レキオの民が黄金律とする「ヌチドゥ(命こそ)、宝」の思想を世界中に広めるのだ。現在の状況では、人類は数千年後に自滅する。レキオを新しい精神文明の発祥地とせよ。お前の使命である」「肝に命じました」 「稽古に入る。掛かってきなさい」突き、蹴りを繰り出していった。その度に、宙に舞った。襟と袖をつかんで投げ技を掛けようとすると、自分だけが転がっていく。「今度は、私が技を掛けるから、受けて返しなさい」 突きを出してきた。スローモーションのように見える。左手でさばこうとした。腕が触れた瞬間、体が宙に浮いて左廻りに一回転して砂浜に落ちた。すぐに立ち上がって身構える。老人は五メーター程、離れて立っていたが、テレポーションなのか、いきなり、目の前に移動してきた。前蹴が金的に飛んでくる。真上にジャンプして、右足で横蹴りを胸に放つ。老人の手が軽く、王聖の右足に触れる。後ろ向きにくる々回転して、海の中頭から落ちた。砂地だったら、首の骨を折っている。口から塩水を吐き出しながら、海から出てきた。「今日は、これでしまいじゃ」 海の中に入り、そのまま姿を消した。旅館に帰ると、掛け時計が四時を指していた。
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