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〔エスの乙女たちシリーズ〕アザレアの花よ、咲いて
倉橋
2020/2/7 17:03
封建時代に精一杯青春を生きた少女達の物語
時は大正時代。 封建思想の下、「親に従い夫に従い息子に従え」と女性を家に縛りつける時代の中、精一杯、短い青春を駆け抜けた少女達の物語である。 かつて吉屋信子の少女小説で書かれた少女同士のほのかな慕情が、ノスタルジー溢れる大正時代の少女の文体で綴られていく。 それは同性愛とまではいかないが、微かに官能の香りが漂う関係である。 封建社会からは背徳と決めつけられ、永遠に結ばれることはない。 だが何よりも美しい世界である。 この作品は構成が見事で、徐々に劇的な展開となり、最後には感動の昇華で幕を閉じる。 実はこの作品は構成が見事なため、へたにストーリーに触れると感動がぶち壊しになってしまう。 最初の三行が、この小説に対して僕が抱いた思いとさせて頂く。 最後に一言書き添えておく。 作者は歴史小説に大きな手腕を発揮されているが、この小説こそ、作者が的確に小説の時代の空気をとらえていると感じさせる。 だからこそ、最後に描かれるふたりの少女の会話が、読む者の胸を強く打つのだ。 僕の好きな小説のひとつになると思うし、これからもこのシリーズを読み続けたいとひそかに願っている。 この小説と直接の関係はないが、戦前が古きよき時代というのは、愚かな妄想である。 セクハラやパワハラが好き勝手にできなくなった人間が、そういう時代がよかったと嘆いているのである。 この小説を読んで、ますますその感を強く持った。
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蓮未るか@電子書籍発売
2020/2/14 20:10
倉橋さん、素敵過ぎるレビューを本当にありがとうございますm(__)m いただいた日からめちゃくちゃ嬉しかったんですが、きちんとお返事しようしようと思ううちに日が経ってしまい… 失礼していて申し訳ありませんm(__)m たくさんのペコメにも、いつも励まされています。 本当にありがとうございます(><)
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