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島倉大大主
島倉大大主
2020/2/11 23:12
「丘の上の家」現在2万字くらい。 全体の1/4は書けた、と思いたい(汗) 以下、現時点での冒頭部分(誤字脱字、更生等はしていないワードからのコピーなので。読み辛いのはご容赦願いたい。また、今後丸ごと書き換える可能性も大である。要するに『書いてますよ本当ですよアピール』である) 僕、こと天田(あまだ)克也(かつや)が丘の上の家を初めて見たのは、四月の初旬。 その印象は最悪だった。 「克也、そろそろそのくっだらない番組見るのを止めて、外を見たらどうだ?」 ハンドルを握る父さんの声に、僕はうん、と小さく答えた。母さんが、そうよ、そんなくっだらない番組と追い打ちをかけてくる。 「綺麗な山ねえ……夏はピクニックにすぐ来れるわね」 父さんが売りに出されていた格安の家を買いたいと言い出したのは去年の六月ごろ。場所は住んでいた町から百キロ近く離れた、山に囲まれた田舎の町だった。 つまり、転校だ。 僕は、友達と別れるのは嫌だけどと前置きし、妹の美佐が産まれたら家(ペットOKなアパート。三部屋で日当たりは良かった)が更に狭くなるし仕方がないんじゃないかな、と大人な意見を言った。 父さんは眼鏡をくいっと直すと、ふんっと鼻を鳴らした。 「ほう、随分大人な事を言うようになったじゃないか、克也君」 「ほら、来年俺、小四だし」 大きなお腹を撫でながら、テレビを見ていた母さんが、まあ凄いと棒読みな言葉を発し、こちらを向いて片眉を上げた。 「ホントの所は?」 「えーっと……自分の部屋がほしいかなぁ、と」 父さんが眼鏡を更にくいっと直す。 「部屋だけか?」 「……テレビとかネット環境とか――」 恐る恐る緩んだ顔で申し上げた提案は、父さんはあっさりと承諾。母さんはいつも通りに、成績が下がったらゲーム禁止にするわよ、と怖い顔をしたけども、反対はしなかった。 こうして僕達天田家は父さんの仕事の都合上、四月の初旬に引っ越しと相成った。 そして明日、僕は新しい小学校で小四デビューなのである。不安と期待の入り混じった妙にソワソワした感じが昨日の夜から抜けない。 だから長距離の車の移動にもかかわらず眠ることもできなくて、車の後部座席で寝転がってタブレットで延々と動画を見続けていたのだ。 とはいえ、その動画、『マドモアゼル寿美子の心霊探訪』は『くっだらない番組』とはちょっと違っていた。
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