渥美 雪兎

非日常の中の日常
はじめまして、渥美雪兎です。 こちらの短編集を読ませていただきました。 一つ一つがまたちょっとづつ傾向の違う面白さのある男女の物語ですね。 どれも不思議に引き込まれる世界観で素敵ですが、中でも表題の「世界が終わる夜に転生するババア」をはじめ、「知らないくせに」、「肩パン」の3作が気に入りました。 最初の話「世界が終わる夜に転生するババア」はタイトルからよくある異世界ものかと思ってあまり期待せずに読んでしまったのですが、いい意味で裏切ってくれました。 壮大な世界観に亡くなった旦那さんを長い、本当に長い時間想い続け不自由を強いられてきたおばあさん。 これらに引き込まれていき、気がついたら他の作品も気になり、読み進めてました。 その後に続く「知らないくせに」「肩パン」は前の作品以上に非日常の中の日常を描いていて特に好きでした。 「知らないくせに」は年頃の女子特有の複雑な心境も描かれており、最後まで目を離せなかったです。 「肩パン」は笑いました。 真面目に書かれているのに、明らかにおかしな世界。淡々と語られる男子学生たちが巻き起こすヘンテコな事件。 最初、これは真面目に読むべきか?とも悩みましたが、途中から深く考えてはいけないと気づきおかしなのが普通の世界と思い楽しく読ませていただきました。 正直、一番好きな作品です。 後半の切ない物語や世にも奇妙な物語を彷彿させる物語もどれも楽しませていただきましたが、とりあえず気に入った3作の感想を書かせていただきました。 まだ連載中とのことなので、これからの作品も楽しみにしています。
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とても素敵なレビューをありがとうございます。とても励みになります。楽しんで読んでいただけたようでとても嬉しいです。
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