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ぴょんこ
りかりー
2020/3/1 17:15
2枚目 花がばら蒔かれ男の足に踏まれた。 その花を彼女が震える両手で抱え上げた。 「オレたちはこの店を売ってもらえりゃそれでいい話なんだ。あんたにとっても悪い話じゃないだろ?金ならいくらでも出すって言ってんだから」 「このお店は、父と母が遺してくれたものなんです。売るなんてできません!」 彼女が突っぱねると、また花がばら蒔かれた。 花を守ろうとした彼女を男が蹴飛ばした。 転がる彼女……俺には関係ない。 関係ない。だが。 グァルルルル!!ガウッ!! ふたりの男に飛び掛かった。 『二度とこの店には近づくな!もし姿を見せたら今度こそその喉笛を噛み千切るぞ!!』 「い、犬が、犬が人間の言葉を喋ったぁ!」 パニックを起こした男ふたりは転げるように走って消えてった。 その無様な背中を見送り、 変化して人間の姿になった。 「驚かせて悪かった。どうしても見過ごせなかったんだ。あんたが手当てしてくれたおかけで動けるようになった。礼を言う。……俺はすぐにここを出ていく。だから」 彼女を振り返ろうとして、背中のシャツをつかまれた。 「……おい?」 震える手、小さな涙声がした。 背中に聞こえたのは、ありがとうと感謝の言葉。 そして、そばにいてと引き留めるぬくもり。 「化け物だぞ、俺は」 彼女は首を横に振った。 「……いつか本当の化け物になるかもしれない。それでも?」 離れない手が答え。 それが心を揺らした。 「……おまえは、温かいな。びょんこ」 ふたりの物語は始まったばかり……
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ぴょんこ
2020/3/1 18:44
素晴らしい お話をありがとうございます。
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りかりー