真に見るべきものはいつも見えにくいところにある
冒頭から激しさを予感させる内容で、一体どんなお話なのだろうと期待が膨らみました。 その期待通りに、男らしさが随所に感じられる描写があり、胸がドキドキしっぱなしでした💗 森山ちゃんの作品は、登場人物一人ひとりが、これまで生きてきた背景までもが見えます。 そのため、誰が主人公で、誰が脇役だと区別して捉えることがなく、全員が作品の中で生きているように感じられます。 今作でも、もちろんそのことは変わりませんでした。読んでいると、いつの間にか登場人物達に感情移入して応援している私がいました。 うまく気持ちを言葉にできない。そういった方は、コミュニケーション能力が必要とされる社会では生きづらいのだと拝察されます。 つい、明るく目立つ表面ばかりに目がいき、本当は見なければいけない内面を無視してしまっているのではないだろうか。 真に見るべきものはいつも見えにくいところにある。 話すことの大切さ……社会が抱える闇の根幹さえも見えるような素晴らしい作品でした。

この投稿に対するコメントはありません