桜倉ちひろ

必ず2度読みする作品
 1頁をめくるごとに「あ、素敵な表現だな」と思わせる一文が散りばめられています。その心地よさにつられてスルスル読んでいるうちに、あれ? 終わっちゃったの!? と終わりが寂しくなりますが本題はここから。  その視点があったかと唸ってしまう、裏側の始まりです。  本作の一番の醍醐味がここに詰まっていました。  最初は小説を読んでいたはずなのに、いつの間にか映画館に座って映画を見ていたような感覚。  読み終えた時、目を閉じるとありま座が見えた気がしました。  もう一度表紙に戻って、再読してみてください。  ありま座の恋の本当のお話が見えてくると思います。  「沈黙が下りてきて、ありま座が息を飲む」  この1文が、私はとても好きでした。  疲れた時にそっと開いてみて下さい。  心癒される温かいお話です。    最後になりましたが、読ませていただいてありがとうございました。    
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