森本

賢一を人間に留めたものは
目の前で両親を殺されたあげく、あの世の手違いで自分まで死んでしまった黒田賢一は、異形の姿と圧倒的な力をもってこの世に舞い戻りました。 愛する両親の仇を討つためにーー。 こう書くと転生チートもののテンプレート作品のようですが、本作は硬質かつ豊かなノワール(暗黒小説)です。 両親の仇を討つべく殺戮を重ねる賢一を最後まで人間たらしめたもの、それは幸せとはほど遠い一組の母娘でした。 母娘と擬似的な家族になることで、賢一は人間らしさを失わずに生き、情愛を抱いて母娘を守ります。まだたった十六歳の賢一が「夫」「父親」として(意識していなくても)ふるまうありさまに、作者さまが弱者や社会から滑り落ちた者たちに深い共感と愛を感じておられることが伝わってきます。 暴力だけではない、本物のノワールが読みたい方はぜひ本作をご高読ください。清々しい読後感を得られると思います。 作者さま、強度のある作品を書ききってくださり、ありがとうございました。
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レビュー書いていただき、ありがとうございます。この作品は、思いつきで書き始めたのですが、かなり苦戦しましたね。そんな作品でしたが、評価していただけて嬉しいです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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板倉節の光る良い作品でした(^ー^)。
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