トオル

華麗なる悪党たちの復活!
まずは、廃王国の六使徒の復活を祝いたい。刊行していたレーベルが無くなり、宙ぶらりんな状態でシリーズ途中となってしまったこの物語を、作者のデビュー作オペラシリーズ同様に愛していた身としてはとても辛く、長い間続きを待ち望んでいた。叶わぬ願いか…と思っていた矢先の、作者のリブート宣言を目にして驚天動地ーー神は願えば思いを叶えてくれるものだと大袈裟にも考えたものです。感無量。 さて、久方ぶりに再読した悪党たちの物語は、加筆もあってか終始新鮮な気分で読めた。笑ったり、ほろりとしたり、作者独特の言い回しや文体に惚れ惚れしたりと、発売当時に夢中になって読んでいた頃のわくわくとした気持ちを思い出しながら迎えた大団円。最後の最後にタイトルである『六使徒』の意味に胸を打たれて幸せな溜め息が零れた。 読書の醍醐味ですね(笑) リブート前の、元のオリジナルをまた読み返したい気分になります。 個人的に大好きな推しキャラであるミランとクレメンテの獅子奮迅の活躍に「あ〜、やっぱり大好きだ!」という気持ちを再確認。美しく退廃的な舞台装置なのに、やっていることは意外と少年漫画的なノリがそこはかとなく感じられるのも好きなところ。 何といっても、主人公が美貌で最強の無職ですからね!仲間たちも善人でないところが良い。彼ら彼女らなりのルールで呪われた街に生き、排除しようとする敵を退ける。そして、様々な形の愛。愛が誰かを救い、愚かにもする。自分は無力で唯一の取り柄は美貌だけだと思い込んでいた主人公が、とある事件をきっかけに己と向き合い、真に目覚めていく過程は何度読んでも面白い。 一つ目の物語は主人公アレシュで、二つ目はアレシュを慕い、彼のメイドをする魔界少女ハナ、そして三つ目以降の物語の展開を期待したい。出来れば、六使徒+もう一人の物語を読みたいなあ〜
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