技巧的な綺譚短編
面白いです。 そして、よく読むとかなり技巧的。 ご主人の一人称の部分をお手伝いさんの一人称で挟む、ABA'のソナタ形式。 導入のAでは、戸惑うお手伝いさんに、幽霊話を無邪気に話すご主人。 Bは過去に遡って事件の説明、うまく持っていきます。 A'になると、幻想怪奇の雰囲気から一点、御主人のサイコ的な異常なのかと、軽くどんでん返しを喰らいます。 で、最後にもう1回どんでん返し。ただ、謎を残して終わるところが普通のどんでん返しと違うところ、そうなるとご主人のBの独白も怪しくなります。 読み終わって、阿刀田高さんの短編のような雰囲気を感じました。ほら、よく出来てるだろう?って先生に教えられているような感覚ですね。 筑前煮の味でご主人が・・・というスカッとするラストがあるのか?とは思ったのですが、悶々として終わらせるのもテクニックでしょうね。 ホラージャンルですが、残酷なシーンはなく、綺譚小説というべきでしょう。 受賞も納得です。
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すごいコメントをありがとうございます🙏思い付きで書いているので、技巧的なんて言われると恐縮します💦 一応、自分の中では辻褄の合う設定を考えていながら、第三者という夫婦のことをよく知らない人が見たらとても奇妙に写るんだろうなぁと思いながら書きました。珍しく上手くいった!と思った作品です。 阿刀田高さんは存じ上げていなかったので、是非読んでみようと思います。 素敵なレビューをありがとうございました😊
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