二瀬幸三郎

愛すべき[おろかもの]達に捧ぐ……
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 刻は流れ、時代は激動の変革を迎える…… 果たして、諸説ある織田信長の[三段撃ち]はどのような解釈で描かれるのか…… などと思って読み始めましたが、結局、そんなものはどうでも良くなりました…… 「全く、いくさ人は[おろかもの]ばかりだ!」 (注:褒め言葉ですw) (史実の真偽は別として)自らの野心のためには銭も手段も厭わない織田信長(元より[うつけ]か…… 家康嫡男という重荷に苦しみ、荒れ、そして藻掻いた徳川信康…… 「信玄を越える」ことに固執したあまり、最後はそんな己に破れた武田勝頼…… そんな主に愛想を尽かしつつも結局は従う武田の忠臣たち…… その中でも、主を諫め、敗北を教えるため[だけ]に単騎で鉄砲三千に立ち向かい、死に場所を求めた山県昌景…… そして、時代の変化を目の当たりにしつつ、且つ認めつつも、結局は己の信念を捨てる事なき[槍莫迦]本多忠勝…… 他にも、忍びでありながら敵を愛してしまった[かよ]、最後の最後まで勝頼を惑わせた佞臣二人(名前は略w…… 更には爆雷党の仲間と惚れた男のために命を賭して戦場を駆け抜け、仕舞いには一世一代の大芝居を打って見せた鳥居強右衞門や、ここでは名前を上げなかった者たち、歴史に名を残すことさえ許されなかった全ての武将、武者、郎党、忍びなど…… 彼等に贈る言葉はこれしか思いつきません。 「お前ら、本当に[おろかもの]ばかりだ!」 だからこそ、愛おしい…… 時代の離れた現代人故の身勝手な言葉はありますが、それだからこそ、彼(彼女)らには感じ入るものがある…… そんな武辺もの達の魂、そして[想い]は、赤備えの具足、軍団とともに井伊直政へと受継がれ、彼もまた[おろかもの]として戦場(いくさば)を猪のように駆けていくことになる…… 愛した女[かよ]、そして師匠である山県昌景の死を乗り越え…… 本田忠勝を中心に描かれる[おろかもの]達の戦国時代はまだ、終わりが見えない…… さらなる物語に期待を寄せて…… 良きものを読ませていただき、ありがとうございます♪
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素晴らし過ぎるレビュー、心より感謝させて頂きます! 本当に、本当にありがとうございます。 「おろかもの」。僕が産んだ人物たちに最高の褒め言葉を頂きました。 己が野心へ、己が武へ、己が愛へ、己が忠義へ、そうなんです。僕が描きたかったものは彼、彼女らの愚直さなんです。それが読者さんへダイレクトに伝わったというのは作者冥利に尽きます。涙が出るくらい嬉しいです。この第4巻は、中々に書きごたえのある一冊でした。まるで生き物を扱っているような感覚、とでもいいましょうか、とにかく動く動く(笑)暴れん坊な作品でコントロールが大変でした。長篠の戦いの描写をする時はいつも水でもかぶったように汗まみれでした。色々大
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