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猫を拾わなかった話。
橘 実来
2020/6/17 21:13
タイトルと本編の鮮やかなコントラスト
猫を拾わなかった話。このタイトルは感情の欠片も含まれていない。そういっても過言ではないほど、素っ気なくシンプルです。 でもまず、ここで疑わなくてはいけない笑 読者を驚かせたり、ワクワクさせたり、切なくさせる仕掛けが、必ずあると。 実際よんでみたらやっぱり!笑 いや、確かに猫ちゃんは拾わないお話なのですが、ストーリーは切なさや痛み、湿度、微かな甘さなどがたっぷりと含まれていて、一気に寺島ワールドに惹き込まれてしまいました。 こちらの短編は妄想コンテスト『やまない雨』応募作品予定とのことで、作中ずっと雨が降っています。 導入では雨は冷たく、主人公のユッコにも読者にも冷たく刺さってくるよう。けれど馴染みのバーでの語らい、そしてラストシーンへとの時間が流れていくなかで、それらはゆっくりと変化し、冷たい雨が次第に優しく柔らかくユッコも読者も包んでくれるのを感じるのです。 伏線の散りばめもストーリーの変化をより鮮やかに意識させてくれました。たとえば導入部分。『一体なにに、似ているんだっけ』の1文。この伏線がのちに雨の雰囲気の変化をより鮮やかに引き立たせ、唸りました。 『やまない雨』を、ごくごく自然にストーリーに溶け込ませつつ、猫ちゃんは拾わなかったけれど笑 読者をラストまで優しく誘ってくれた本作。 ぜひぜひ読んでこの感触、空気を味わってみてくださいね。
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さくら花菜@短編コンテスト開催中
2020/6/18 15:58
レビューびっくりしたー!笑 短編って読み捨てられるものだと思ってるから、レビューが来ると、なんか驚いちゃう。 そしていつもながらの素敵レビュー、ありがとうオブありがとう(´;ω;`) 美空はいつも、説明しなくてもわかってくれるから好き♡♡ 今回は特に雰囲気小説的なとこあったから、うまく伝わるのか不安でした。レビュー読んでほっとした!! 書き終えた時はなんかご都合主義的な? 気がして、ちょっと首を傾げてしまったけど、美空に褒められたからいいや(๑>•̀๑)テヘペロ そして、このレビューを書く筆力をわたしにわけてください笑
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