針間有年

止まない雨はない。それは希望の言葉。だけど―。
主人公・理沙と叔父の距離感が心地よかったです。近すぎず遠すぎず。それでいて温かな関係性でした。 六頁目の叔父の言葉は深く染み入るものがありますね。 止まない雨はない。それは希望の言葉でありながら、受動的の言葉に捉えがちです。 ですが、それを能動的な「雲の切れ間を目指す」という己の手で運命を切り開いていくような、そんな叔父の言葉は深く心を打ちました。 一見、優しさとは縁遠く見える叔父。不器用な優しさとはまた違う。彼の優しさは、一言では表せず、この物語の中でしか語り得ないものだと感じました。 素晴らしい作品をありがとうございました。
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