脳を刺激する、スリル…ぜひ、あなたにも。
■この作品を選んだ理由 青い鳥といえば【幸せの青い鳥】というイメージが強いが、元々の物語りを知らず、興味を持ったため。 前半、中半、後半で全然違う印象になっていくこちらの作品。 とても面白いなと思いました。 印象の違いはやはり、誰が善で誰が悪か? ということになってくるのですが、この物語には完全な悪は存在しないと感じた。 それぞれに事情を抱えていて、それぞれの思いの元にぶつかり合う。最後は遺恨を残さない終わり方で「ああ、これで良かったんだな」とホッとします。 ■登場人物に思うこと 駆け引きというか頭脳戦のように感じる部分がハラハラして凄い。映画に「全員が敵」のようなキャッチコピーのついた家族物があった(おぼろげな記憶)のですが、あのハラハラドキドキ感と同じ分類のドキドキ感があります。 誰を信じたらいいのか分からない。 誰が裏切り者なのか? 誰が嘘をついているのか? ミステリーではないけれどこの作品にはスリルがあります。 ■自分が登場人物の立場にだったら 人間不信になりそうですね。この状況は。 冷静に判断できるかわかりません。 それくらいこの作品の心理戦、頭脳戦は凄いです。 ■感動したこと シュカのしたたかさが凄すぎる。 彼女の役どころは人間の貪欲さを明るみにするという役どころなのだろうか? 彼女の言動には何度も騙され振り回された。 なんだ、ホントはいい人なのかと思ったら、ところがどっこいである。この物語で一番得したのは彼女であろう。 いい人ばかりを作らず人間らしさを登場人物に込めるのは意外と簡単に見えて難しいものである。 なぜなら、創作において自身の作ったキャラクターたちにはそれなりに愛着が沸いてしまうからである。特に日本人はその傾向が強いらしい。 ■物語の先 リッパー家はやっと家族としてのスタート地点にたったところである。互いに大切にし合い幸せに暮らしたのではないか?と思う。 とても脳が刺激される素敵な物語に触れる機会を得たことに感謝です。ありがとうございました。

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