松浦由香

コロナ禍での大掃除 大掃除はしてはいけない(おいおい) だって、時間が足りなくなるから リビングや台所なんかは家族が使うから、 あまり気兼ねせず片付けられる。 だが、こと、思い出のものを無造作に入れている押し入れは、 片付けてはいけない。 中学の頃に書いていた小説が出てきたけれど、 今は懐かしい「感熱紙」で印刷していたので、 すっかり消えてしまった。 読めるところもあるけれど、 もうすっかり見えない。 それでも、お小遣い貯めてインクリボン買った印刷したような、 小冊子もどきもあった。 読んで 空白の時間が流れる。 そりゃ、若気の至りですよ。 何が言いたくて、何が書きたくて、 誰のセリフで、今どこにおんねん と様々なツッコミどころ満載だったし、 当時、小さい字が流行っていて、 若いと、小さくてかわいい字を書きたがる。 見えねぇ はぁ、年は取りたくないが、 これもまた今の私を作ったもの。 消えてしまった感熱紙の原稿は捨てたけど、 恥ずかしい小冊子は、あと少し手元に置いておこうかな これが、この世の中で一番面白いと思っていた、 あの頃に戻りたいわ。
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