【コメント】不条理コメディ

理由も知らず奪い合い。

不条理コメディ

辛辣な感想をお望みという事でしたので僭越ながらかなり厳しく書かせていただきます。状況説明は後のスピーディーな展開を予想させていたのでかなり期待したのですが、実際は改行が無いだけで人物たちの動きにはかなりの間があって、むしろ肩透かしを食らいました。制限時間1時間の間に起こる事が人物が二人になる、清掃員を装った殺し屋が来てあっけなく殺される、その後動きが無く制限時間終わり頃に機関銃を持った殺し屋の登場でやり取りも無く先客は退場、そして爆破オチと、要素が少なすぎる印象でした。密室である事、余計な要素がほぼない事、箱が意味深である事などの舞台設定が後に起こる濃密なやり取りや心理戦を期待させたのですが、高等な駆け引きも入れ替わり続ける状況もなく、黒髪が『調べた』要素も登場しないと、色々期待を裏切られる結果になっていました。そして最後に明かされるオチはボスの趣味で、しかも殺し屋はともかく自分の組織の人材を定期的に消耗させている事や、その事実を知り（多分何度も）このお膳立てをしている部下迄殺害するメリットが全く理解できませんでした。組織を弱体化するだけでなく狂人じみた余興に協力すると言う稀有な人材迄失わせたらこの先のボスにはデメリットしかない様に思えます。組織の長の様な計算高い人物が行うにはあまりにも軽薄すぎる気がしました。自分で書いていてかなり容赦ない辛辣な感想となってしまいましたが、１ページ目の導入にぐっと盛り上げられた期待感が大きいからこそそうなってしまいました。傷つけるつもりではありませんでしたのでご容赦ください。