白福あずき

きっとずっと、心は奪われたまま。
ネタバレを含みます。ご注意ください。 とにかく最後のどんでん返しっていうのでしょうか。 ピュアピュアきゅんきゅんで繰り広げられていた世界が突然ひっくり返ったときは自然と口がぽかんと開き、時が止まったかのようでした。 個人的にこういうラストは嫌いじゃありません。むしろ好きです。しかしあまりにも突然の衝撃で私は立ち直れそうにありません。それくらい余韻に浸ってしまいました。 ずっとずっとバレエを頑張ってきた女の子の挫折。それは想像するよりもずっと辛くて苦しくて、厳しいもの。ここからは私の解釈ですが男の子はそんな女の子の心に気づいていたのではないでしょうか。だからあの日連れだした。女の子も自らの意思で家を飛び出した。その結末がどうであれ、あの時を生きる二人にはそれが『答え』だったのでしょう。 作中のセリフでもある「心が全部奪いとられていくみたい」という言葉。これはきっと男の子側もそうなのでしょう。きっと彼はこの先ずっと彼女から離れることはできないのですから……。 と、長々と失礼しました。 余韻が抜けないまま感想を書いてしまったので、私がれこさんの小説に心奪われたことは伝わりましたでしょうか。 ここまで人の心を動かせるれこさんに感動と同時に尊敬しています。 素敵なお話をありがとうございました。
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