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お父さん
森本
2020/7/12 22:17
いつかは必ず通る道
子どものたあいない疑問から、語り手を変えて浮き彫りになる「認知症の家族」の問題。 身につまされました。いつ自分の身に起こっても不思議ではありません。 名前を忘れられてしまう。別の誰かと存在をすり替えられてしまう。激しく消耗しそうな状況だと思いました。 それだけに、実の父に別の名前で呼ばれている「ナツコさん」のモノローグが作品を微かに照らします。 父親には娘としての名前を忘れられてしまったけれど、妻であり母である自分は確かにここにいる。 出口の見えない苦しみが言わせたのではなく、まぎれもない真実でしょう。 物語の最後に灯った明かりに、読み手である私まで照らされました。いつかは何らかの形で降りかかってくる親の老いの問題に対して、少しだけ心の支度ができました。 避けては通れない問題に風穴を開けてくださり、ありがとうございます。
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駒田
2020/7/13 8:56
森本さん 素敵なレビューをありがとうございます! 家族の繋がりって、強くて深い(という意識が強い)だけに、なかなか厄介ですよね…… 私は孫視点でしか関わった経験しかなく、親の老化問題を目の当たりにする切迫した感覚は未知なのですが…… どの立場にいても、“家族”には援助を当然に期待してしまうようです。 そのため、ヒロインは、夫や子どもからの助けだけではこんな風に浮上できないのでは……という思いがありました。 そんなわけで、第三者たる小学生に登場してもらいました。 それでも、その“気付き”を手懸かりにして浮上できたのは、夫や子どもとの確固たる関係性があればこそですよね。 ラストは、彼女が
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森本
2020/7/13 11:28
小学生二人は物語において大切な役割を果たしていますよね。 とても深く優しい作品でした(^ー^)。
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