ベテランの妙筆
 偶然辿り着いたので読ませて貰ったのですが、うん、面白かったです。  実際のガールズバーや裏社会の事情には詳しくないのですが、ありそうだなと思わせる書き方で楽しく読むことが出来ました。地に足が付いているキャラクターは安定感がありますね。嘘を9割、真実を1割で書くと面白い話が出来るなんて聞きますけども、この作品ぐらいの割合でも十分いけます。  書き慣れている、自分のスタイルをしっかりと思っている方だなと言う印象を受けました。まあ、かなりの数を書かれているベテランさんのようですので当たり前ですけども。  飛ばすところは飛ばして、作者自身が楽に書き続けることを目的とした作風に見受けられました。話が結構ジャンプするので、もしかしたらついて行けなくなる読者さんもいるのかなとは思うのですが、わたしはこれだけの情報があれば、十分楽しく読めます。  手探りで書き進めている作品よりも、こうしてサクサクと書いているのが伝わってくる文章の方が安心できますし、読みやすい気がしますね。個人的にはですけど。  文体や舞台はカッチリと組まれていながら、幽霊が出てきたりと、軽妙な雰囲気を併せ持っていて、攻めているなーと感じましたね。この流れから幽霊を出せる作者さんってなかなか居ないと思います。面白い売りです。  字面から受ける印象よりも、もっと気楽に読めるのが気持ちよかったです。  確かに癖のある書き方をされてはいますけども、もうすこし読者が付いても良い作品だとは思いますけどね。ただ、狙うなら男性読者になるのかな? うーん。

この投稿に対するコメントはありません