空松かじき

先に待つのは滅びだろうか
 侵略モノであると同時に、ポストアポカリプス的な面もある作品だ。彗星に潜んでいた種子(ウイルス)により、変異人類種が出現した世界が描かれている。  変異人類種の存在はおそろしい一方で、使えこなせれば便利かもと思ってしまった。  種子(ウイルス)の特性が恐ろしく、ある意味、最強の侵略者なのかもしれない。遺伝子レベルの侵略というのを想像してみると、後手になればなるほど対抗手段がなくなりそうだ。  一方で、見方を変えれば、種子(ウイルス)にとっては種の保存であり、繁殖行動のように見えてくる。まあ、人類からすれば結局は侵略とか寄生なのだけれど。  実際、この作品では、種子(ウイルス)はいずれすべての生物遺伝子のまぜこぜにして均一化するだろうと示唆されている。すなわち多様性の消失である。  最終的に、この変異人類種は環境の変化や未知の病気で滅びてしまいそうだ。だが、そうなるころには人類はどうなっているだろうか、と考えさせられた。
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空松かじきさんへ 今晩は。 丁寧な感想レビューを有り難うございます。 目に見える大きさなら恐怖や嫌悪を感じて避けたり駆除する努力はしますが、昨今のコロナウィルスの様に目に見えないと油断が出るのが人だよねと思った所と、もう一つはウィルスが種の壁を越えて感染する所から考えています。 生きる上で有利な力を持ったら、きっと自分も簡単には手離さないだろうと考えるので真綿で首を絞める様な終わりとなりました。 最後まで読んで頂き嬉しいです。

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