honolulu

オメガバースに食傷気味の方にもぜひ読んで頂きたい
出会いの時が運命の…というセンセーショナルなスタートでも、 体の相性の良さ、好きだけでは成り立たないその先の生活、人生。 圭人のお見合い相手に相性が良いのは40までで云々と語らせていて、 ある意味大きな命題。 もしかしたらあまり意識されていなくて、一緒に歩いていくという人生のスタートをきってしまうかもしれない事。 それが、 登場人物、それぞれの中に編み込まれていて、複雑なのに非常に素直に流れてきたことです。 よく練られたシナリオだと感じました。 オメガバースの話は運命の相手とのラブストーリーの材料になっていることが多く、 あまり内容に翻弄され出てくる人たちに深入りしたことはなかったです。 しかし、叶さんの小説は必ず深い捻った洞察があるので楽しみに読みました。 圭人のオメガ性は人生の未来を描くのに錯覚を起こすのに役に立ったのですね。 そして、過去の不安とトラウマがそれに拍車をかけた。 そして、もう一人のオメガ実紀には重い病気を負わせ、 そのアルファとオメガか出会って直ぐに簡単に陥る肉体の関係にストップをかけている。 この事でより一層この小説のポイントが、 人との繋がりが深いところで混じり合い、お互いを知りたい、理解する強さなんだなと気付かせられます。 人の嫌な部分、本来の姿を見せたかったとおっしゃっていましたが、 会わせなきゃ良かったとか、 結構強引なのねとか、 そして圭人の密やかなる陰謀話ができてからは、こりゃこの二人は離れるなだとか、 叶さんの思惑に乗せられて翻弄されました。 一つ、圭人の考えがあまりにも単純にあの実利の遺産を柾に引き継がせることに走ったのがどうしてか、もう少し裏を知りたかったなぁと思います。 オメガバースを超えた圭人のその心の澱か知りたかった。 最終回、 脳腫瘍を治した実利と柾があまりにあっけらかんとしていて少し寂しかったかな。 二人ともきっと最初から圭人のどっかに彼の計算高さを、何か感じていたのではなかったのかなとも思いました。 お見合い話でその辺のところは補足されましたが、 少しもやもやしています。(勝手にです、すみません) 流動的な恋愛を模索せず、 それをオメガバースで流してしまう小説が多い中で異色の内容の濃さだと思います。 叶さんの作品は色々と読ませて頂きましたが、 これもまた、心に残る深い余韻の残る素敵な小説でした。
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honolulu様 レビューありがとうございます。 楽しんで頂けたようで、とても嬉しく思います。 体の相性が重要なのはせいぜい40代ぐらいまで、という大堀の話は、おっしゃるとおり命題というか。 若いうちは好きって気持ちと、体の相性で乗り越えられることもありますが、価値観の違いで苦しむのは、生活を重ねていけば必ず起こり得ることですので。 柾と圭人が折り合いをつけて結婚していたとしても、その道は険しく、不幸せな未来になっていたかもしれません。 オメガバースは、読むのは好きなのですが、今まで書く気にはならなかったのです。 今回描いたのは、鳩の翼のオマージュがやりたくて、そのストーリーがオメガバ
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