D.D.社を考えてみると……2/2
D.D.社は、プログラマへロボットに何をプログラムさせるか一定の裁量制を持たせている印象を抱いたきましたが、納得がいきます。 セラピーロボットを作るのが目的であれば、万能型のハイエンドではなく、一人一人に合ったオーダーメイドを重視するのは至極自然な流れなのではないかと。 なぜ、ニコが「僕」に何の前触れもなく炎天下の中、仁王立ちしていたのか。 なぜ、ニコには必要な情報に対する記憶がないのか。 もしかして、離婚して転勤が続いている父の息子たる「僕」の、現状と未来を憂いた亡き父のプレゼントだったのではないか。 大きくなった時一人で寂しくないように、ロボットセラピーを掲げているD.D.社に、父はあらかじめニコの製造をお願いしていたのではないか。 父のプレゼントではなかったのだろうか、と。 ニコが父親がくれたセラピーロボットなのだとしたら、「僕」にニコが言及していた「先に死なないこと」も「僕」にとって改めて、大きな意味を持つことになります。 私はこの項を読んでいた時に「「僕」だったら、『先に自分が逝ってしまったあと、ニコが寂しくならないか』と心配するんじゃなかろうか」と思っていたのですが、セラピーを事業にしているのなら死後のロボットの処理を責任を持ってやってくれることが、(いずれニコをD.D.社へ持って行った時に)判明するでしょうし、 なにより、自分が目を閉じる時に、ニコがそばで、否、最愛の人がそばで手を握ってくれることを想像すると、ああ、なんという幸せな世界なんだろうと思うわけであります。 完全に妄想になってしまいましたが、ニコ、お父さん、ニコのプログラマ──「僕」の周りには、とてつもなく優しい世界が広がっていると私は考えます。 本当に、「僕」がニコと出会えて本当によかったです。
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雲灯さん 私はエブリスタを始めてから初めて2ページに渡るご感想を頂き、とても嬉しく興奮しています! 興味深い考察もとても面白く読ませていただきました(もうこれがサイドストーリーでいいんじゃないかな笑) SFLCという一見SFを軽く扱ってるんじゃないかと怒られそうなジャンルを作っておきながら(そんなことないですよ)あたたかく深く読み込んで下さりありがとうございます! またSFの世界にお邪魔することがあるかもしれませんが、その際はよろしくお願いします。 私の作品に心を割いて下さり、本当にありがとうございました。
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