ホラーとは何か、真の意味を知る作品
【謎は謎なままだからいい】 *恐怖の列車を読んでの感想 この作品を閲読して最初に思ったことは、ホラーとミステリーは似て非なるものであるということだ。自分はもっぱらミステリーが好きであり、ホラーが苦手である。恐らく、ホラーにはスプラッタが付随するものが多いからだと思われる。ただ、日本のホラーは海外のホラーとは違う怖さがある。その違いに改めて気づかされる作品でもある。 海外モノのホラーは自分も襲われるような怖さ。そこには怪我や死がつきもので(全てではない)、痛みという感覚を刺激するモノなのではないかと思う。それに対し、日本のものは、五感に訴え心そのものが刺激されるものであると考える。それは、不安。 ホラーとして不安と相性がいいものは不思議なのでないかと感じた作品である。 この作品「恐怖の列車」は、現実と夢、非現実の三つから構成されている。初めは現実で恐怖に感じていなかった列車だが、やがて現実までも恐怖に侵食されていく。そこで自分は、ホラーとはどんなものなのかと言う事に気づかされたのだ。 段々と霧が晴れていくのがミステリー。 段々と霧がかかっていくのがホラーなのだと。 (実際の映画や物語には謎が解けて終わるものがある。それらをホラーではないと否定しているわけではない) この物語は、不可思議なことと、謎が多く散りばめられており、読み手に様々な想像をさせ、読む人によっては解釈が変わると思われる。それは謎が謎のままであるから。とても面白い作品だと思う。 あなたも是非、お手に取ってみてはいかがでしょうか? おススメです。
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