かず

人間としての、自分の底の浅さを思わされた。
作者に昔、「軽い恋愛物ではなくて、もっと人間臭い物語を書いて欲しい、そのほうが絶対に持ち味が生きる」と、偉そうに語ったことがある。 彼女は「そういうのを書くと、自分がモロに出て、絶対重くて暗い物語になるから嫌だ」と返してきた。 しきりと、重い、暗い、と自己批判する彼女だが、それは武器であると、声を大にして言いたい。 彼女の文章は、これ以上はない完璧さで綺麗にまとめられているのに、その美しい表面の下に、破裂しそうなくらいの激しさというか、濃密な何かを感じるのだ。 それが何なのか、この作品でわかった気がする。 圧倒的な、人間としての強さだ。 負の感情を昇華できずに苦しみながら、それを抱えたまま、それでもどこかでなんとか折り合いをつけて生きていく人間の姿は、たくましく崇高で、それをこそ、強い人間と言うのだと思う。 そしてそれは、人間としての経験値でもある。 あり得ないような奇跡をどこかで望み、幸運にもそんな奇跡によって葛藤が解消され、理想を叶える。 私の作品は基本的にそうだ。 それは、確かに美しい。しかし、人間として、どれだけ底の浅い美しさだろう。これはとりもなおさず、私自身の人間としての底の浅さから来るものなのだ。 人間値の積み重ねをおざなりにしてきた書き手としては、自身のこの方向性を変える気はないし、自身の文章、自身の人間性を一番生かせる方向性だと確信している。 しかし、作者には、「美しさ」という仮面をぜひ脱ぎ捨てて、心の濁流を溢れさせた作品を書いて欲しい。 作者の書き手としての魂が満足するのは、決して美しさではないと思うから。
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レビューをありがとうございます。 あばばばばば、すっごいことぶっ込んできましたね(滝汗) そんな大層なもんじゃない、です。はい。 独り暮らしの経験はなく、上京したこともない。 仕事も与えられたことをこなす程度で、向上心などかけらもない私の経験値がいか程のものかは解りませんが、あれもこれも考えて悶々とし続け、ヤバイと思ったらどうにか折り合いをつけている(たまになかったことにする(笑))という意味では、経験値はあるやもしれません(笑) 主人公は40代半ばの設定で、独身の自立した女性ですが、作者はこの年になっても親の臑齧りしてますんで、全然人間として強くもなければ底も深くないです、ホントに。
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いや、さ(;^ω^) なんちゅーのか、「考える」頻度とか程度とか分野内容範囲とかの経験値。私、ホンマに考えナシなのよ(笑)自分の運の良さに頼り切ってる。そのうちなんとかなる、って、いつも(笑) だから、いつも全然悩まないし苦しくない。本当に苦しんだ経験がない。まさしくお花畑人間だからさ。 苦しむ状態を受け入れて継続できる強さ、って、あると思うんです。

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