なぎの みや

幸せのカタチ
語弊を恐れずに申し上げますが。 感想を書くにあたって、本作はとても悩みました。と言うのも、主人公の亜美さんの心情。彼女の気持ちは何となく分かるのだけれど、イマイチその中心を掴めた気がしませんでした。 三十歳を目前にして、そろそろ身も心も落ち着ける時期。その為には、まずは安定した生活が基盤に無ければならない筈です。だからこそ、彼女はダチくんとの決別を選んだのかと思ったのですが……。 どうやら私は、そこを大きく勘違いしていました。もしかしたら亜美さんはダチくんに、もしくはパートナーに一家の大黒柱を求めていた訳ではなかったの知れません。そう考えたら、厚木さんの大人なアプローチに靡かないのも納得出来ますね。 亜美さんは単純に、ダチくんの頑張っている姿をずっと見ていたかった。読み返したら本人もそう言っているじゃありませんか。一生件なダチくんを見ていたい。キラキラと楽しそうに疲れていてほしい。彼女の幸せは、そこにあったのですね。そこに気付くまでに愚かにも時間がかかってしまいましたが、そこからはラストの流れもごく自然に受け入れる事が出来ました。 とは言えダチくんは、亜美さんの性格を完全には分かっていないような気がします。恐らく、あの行動も一か八かだったんじゃないでしょうか。それでも一生懸命考えて、頑張ったから……ね。 ついつい物事を現実的に見過ぎてしまう自分を恥じてしまいそうな、亜美さんのピュアな心は見習わなければなりませんね。よく見たら彼女、地の文でもずっとダチくんの事を喋ってます。別れを申し出ておきながら、好きで好きで仕方無かったのですね(*´艸`) 心の持ち方を考えされられた作品でした。 ありがとうございました(^-^)
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素敵な感想をありがとうございますm(__)m 訪れていただいただけでなく、読み返していただけたなんて本当に嬉しくて今胸が熱くなっています。 こちらの作品はまさに仰っるとおりの気持ちをこめて紡ぎました。夢を追うことを諦める前に自分のなにに相手が惹かれているのかということをちゃんと感じとってほしいなという思いが書かせた物語でした。と同時に幸せって人それぞれなんだからと。 『pastel』という作品では、安定を選ぶ女性を主人公にしているのですが、そちらも本当はそうではありません。そしてこちらのダチくんも、『pastel』に出てくる選ばれなかった男性も女性側の本当の気持ちには気づいていないと思って

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