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裏ノ鏡編
ともなり
2020/8/28 14:44
もったいないと思いました。
辛辣なレビューをお望みだという事で僭越ながら失礼いたします。 まずは独特の世界を構築したうえで陰謀やバトルやさりげない恋愛など盛り込んで進む物語は素直にすごいと思いました。少なくとも僕には真似できないでしょう。 クライマックスと言うべきバトルでは理性と感情と言うガンダムSEEDなど多くの作品にみられる王道的展開で皆の期待を裏切らず、手に汗握る満足いくものになっていると思いました。 ただ、いくつか残念な所もあって、見事なプロッドを立てているのに色々な所が足を引っ張っている様に思えました。 まず、始終思ったのがカッコイイ言葉を使おうと無理している所でした。『この単語を使おう』感が際立ってしまっていて言葉の並びが滑らかではないので非常に読みにくく感じました。その結果、似た様な描写が近い頻度で繰り返されるなんて事もあって、鼻につくように思える箇所もままありました。 そして、世界観やその世界での仕組みが説明されるのが後半に入ってからと言う、別世界を描くにあたって最初にしておかなくてはいけない事を後回しにしている為、今作から入った人は完全に置いてけぼりを食らうという失態を犯していたように思います。実際僕は読み進めるうちに次々登場するアイテムや設定にかなり困惑しました。 本筋には影響ないのですが些細なシーンで違和感を感じる所も色々ありました。例えば冒頭のシーンで無個性を強調しているのに圧倒的存在感や殺意を強調していてそれは相反するのではないかと、ならば無機質で殺意も無く襲ってくる方が恐ろしいかなとか、圧倒的殺意なのに頸動脈にナイフを当てても速やかに殺さなくて「アレ?」と思ったり。メイドが過重労働の合間に暗殺をしていたりと……。 そして作中『みたく』と言う表現が多用されていましたが、完全なスラングで正しい言葉ではないので小説では『のように』とされた方が良いと思いました。 台詞にローマ字を入れ込むのは演出だと思いますが、あれは漫画だから通じるものであって非常に読みにくく配慮に欠けるものに思えました。別の描写の仕方をされる方が良いと思いました。
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