ともなり

僭越ながら。
ケチで勘違い、さらには恩着せがましい男の間抜けさが増して行くところはニヤニヤしながら読めました。 こういう男が考えそうなところをズバリついていて、実在していそうにも思えました。 残念だった点は、この小説で肝になる点『男の女に対する執着』が如何に生まれ、それがどう増大していくのかが全く描かれていない事と、始終コミカルに描かれていた為、ホラーやサスペンスには思えず、ギャグマンガの嫌われキャラを描いているかのように思えてしまう事でした。 ジャンル設定されたようにホラー路線で背筋がぞくぞくする様なサスペンスがあれば化けたかもしれませんが、どうもコミカル過ぎて重みに欠ける気がしました。 そしてお題が『そして私は叫んだ』だったそうですが、叫ぶシーンって魂を震わせるカタルシスがあると思うのです。しかし今回の作品は、苛立って口走った程度の描写になってしまっていて『叫ぶ』の圧力があまりにも足りない様な気がしました。 たとえばですが、この作品をもっとサイコスリラー重視にして、じとじと肌に張り付く様な不快な恐怖を積み上げて言った上で、男の思いもよらぬサイコパス行動にヒロインの方に絶叫させると言うのでも良かったかもしれません。
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 ご高覧&ご感想ありがとうございます。 m(_ _)m  貴重なご意見を参考に、リライトしてみようと思います。三幕構成なので部分的な修整ができず、構成から練り直しになるのですぐにはできませんが、より良い作品に仕上げるつもりです。  
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