鈴狐

江戸川乱歩先生の言葉の言い回しが好きなので、模倣して少し書いてみました。 ♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎ 「もう時効をむかえたと思いますので、ひとつ、この話をいたしましょう」 男はそう言って、風貌に似合わない煙草に火をつけ、ぷかぷかとふかしながら話し始めた。 「もうかれこれ三十年前くらいになりますね。私が幼い頃住んでいた街には、ちょっとした噂がありまして。ああ、大した話じゃないですよ。夕暮れ時に、シルクハットを被ったヒョロリと背の高い男が現れる、それだけの話です。ただ、そんななんでもないような話がなんでこんな噂になってしまったかと言いますと、それは複雑な事情がありましてね」 男はそこでため息をつき、コーヒーに手を伸ばした。(私は煙草もコーヒーもする質ではないが、男が言うには煙草とコーヒーは相性がとても良いらしい) ♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎ 大正時代って雰囲気が良いですよね!
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