宣芳まゆり

世界から弾かれて……
 センチメンタルな雰囲気のSF中編です。終末世界もの、かな。  施設が燃えたときから、5人には、さきはなかった。けれでも、せいいっぱい、生きあがいた。  猫がきっかけで、施設から出たサク。それとも、自分たちの終わりが近いことを無意識下で悟って、施設から足を踏み出したのか。  もしくは、終わりの前の再会と和解を願って、アレクは猫を施設へ連れていったのか。  どこにも居場所がなく、世界の全容がつかめたとて、人類の覇権は終わった。  未来はない。けれど5人の約束は果たされた。星には手が届いた。――悲しくも、すがすがしいラストでした。
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