乙骨英世

華やかな明るさの中にある哀愁
春風や〜の、入学式の希望と、ひとりぼっちの寂しさの同居から感じられる、メロウな現実感。 履歴書の〜の、"空欄"の寂しさと、春の雪の風雅が重なって浮かび上がる、厳しい現実の中の情緒。 白無垢の〜の、華やかな至福と、お吉祭の哀愁が同居する深遠な叙情… 天仰ぐ〜の、天仰ぐ夢の明るさと、踏まれた花びらという現実の、儚い同居。 などなど、どの句にも華やかな明るさや至福に満ちた風景の奥にある、寂しさや哀しみ、重い現実や哀愁や叙情が、明滅的にふと感じられる、実に感慨深い句ばかりです。 とても深みのある秀逸な作品集だと思いました。
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感想ありがとうございます。丁寧に書いて頂きとても嬉しいです。これからも更新頑張ります。
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