八神ユーリ

『ネクロマンサーは嫌われ者』 ココはとある剣と魔法の世界。 限られた人間の中に不思議な力『能力』が宿る、そんな世界。 主人公はそんな世界で生まれ育った、ある一部分を除けばごく普通の少年。 『能力を授かって生まれた』神に祝福されし子供と呼ばれる境遇を除けばごく平凡な少年である。 『能力』と一口に言っても内容は様々。 戦闘に使えるモノから生活を便利にするモノ… 本人の生活では特に役に立たないモノと色々な能力が存在する。 そんな世界で生活して育ったごく普通の主人公はある日、ひょんなことから死体を操る能力を手に入れ『ネクロマンサー』になってしまう。 「……ネクロマンサーってあんまり良い噂を聞かないんだよな…外道とか、非道とか、冷酷無比だとか…」 世間の評判では最低の能力を持ってしまった主人公。 これからは人に嫌われながら過ごしてしまうのか…!? 「まあ、別にネクロマンサーでも大丈夫だよね。僕が悪いこととか人に嫌われる事をしなければ良いだけだし」 そんな能天気な主人公の明日は…! …数週間後。 「ネクロマンサーの地位を向上させるために頑張ろう」 …数日後。 「うあー、魔物が強いー…これ以上はこのダンジョンの奥は厳しいかも…引き返そ……ん?」 魔物の巣である『ダンジョン』と呼ばれる場所の途中で主人公は引き返す事を決意した。 そんな時、誰かが壁に持たれかかるようにして倒れている。 「…けて…だれ、か…」 死体ならばいつものように刻印を付けて使役しよう…と主人公が近づくとなんと虫の息の状態ながらも生きていた。 「生きてる…大丈夫ですかー?これ、飲めますかー?」 「…あ、りが……んぐっ……助かった…」 主人公は声をかけて回復薬を渡すと死にかけの男性はなんとか飲み込んで安堵の息を吐く。 「ココは危ないんで村に戻りましょう」 「…あ、ああ…」 回復した男性と一緒に主人公はダンジョンから撤退して近くの村へと戻る。 「…助かったよ。君が居なかったら死んでいた…ありがとう」 村に着くと男性が頭を下げてお礼を言う。 「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」 「…本当に助かった。いつかお礼をさせてくれ、じゃあ…」 主人公が手を振ると男性はそう告げてどこかへと歩いて行く。
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