水谷遥

前半について
 とても流麗な文章で、書き慣れてらっしゃる感が溢れ出していました。またプロットがしっかりしていて、冒頭に主要アクションを見せ、その後にそこまでの経緯を書く、所謂「ハリウッド型」でがっちり構成されていて、プロット崩壊もなく、とても信頼できる作家さんだと感じました。  構成の組み立てや「この文量だと、ここで一文を入れて締める!」というタイミングやセンスが私と似ている気がして、「分かる分かる、ここだよね」と勝手に共感していました。テンポが合うのか、私的にはめちゃくちゃ読みやすかったです。  一文に入れる形容詞の量も多く、台詞に頼らず地の文で魅せる! という熱い意志が伝わってきます。  アクションにて物語を動かしている点も、凄く好感が持てました。 過度に煌びやかな表現で始まる冒頭ですが、これ自体が伏線になっていて、映像的な強弱で「時間経過」を表現していらっしゃるようで、背景描写の大切さが身に沁みました。  文章が卓越で、「見た、来た、行った」の徹底回避が成されている点からも高い筆力を感じました。少年「リノ」の生き生きとした純粋性が上手く表現されていて、我が子を見ているような感慨に耽ました。  ……。  五作品読んでいながら、こちらだけまだ完読していないという体たらくで申し訳ありません。後半はまた別に書きます!

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