いずれ、文字を読ませるだけの小説メディアは衰退していくと考えてるよ。  やっぱり動画やゲームには勝てないさ。画面の前でぼーっとしてるか、単調な動きを繰り返すだけ、それだけで世界は広がるし、キャラや役者は勝手に動いてくれるし、音楽も良い感じのが用意されてて、なんなら今はキャラクターがどんな感情を持っているのかまで、はっきりと伝えてくれる。本来なら感情を伝えるのは小説の得意分野だったんだろうけど。  まあ、そう考えれば、これほど楽な遊びはないからね。  小説は、自分でページをめくって、世界やを想像しながら、頭の中でキャラクターを動かして、五感を感じ取りながら情景を思い描いて、シナリオを追っていく。動画に比べると遙かに手間なのさ。  読み慣れている人はいいんだけど、読む習慣がなければとっつきにくい趣味。だから、この先、どんどん読者の数は減ると思う。  作者は増えるだろうけどさ。  作者が増えてるって話は聞いたことがあるんだ。多分、わたしの予想では教育の変化が関係してると見てる。協調を重んじる全体教育から、自主性や個性を大切にする個々の教育への転換によって、自分の世界を想像する子が増えたんじゃないかな。  自分の世界を作り上げたら、誰かに見てもらいたくなるのは自然なこと。だけど、アニメを作るのは難しすぎるし、音楽や絵(マンガ)で表現するには、それぞれにセンスと練習時間が必須になる。  一方で、小説は書くのが楽なんだ。特殊な道具は必要ないし、筆力だって中学生の国語力があれば十分面白い小説は書ける。そう、純文学なんかに手を出さなければ、文章力は高くなくていいんだ。極端な話、日頃目にする機会の多い広告や宣伝の文章でも、いっそ会話だけでも小説は成り立つから。
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 小説がマンガやアニメに展開されるのはよくある話だけど、逆に、マンガやアニメが小説に展開されてヒットしたって話は聞かない。売る側だって、魅力的な方へと変化させるのが普通だからね。  それと、積極的にマンガやアニメへ転換させる理由には、お金の稼ぎやすさもありそう。小説のグッズって絵がなければグッズすら作れないから、企業が参加する旨味がないんだよ。企業が参加しなければCMもない。そうなると、人の目に触れる機会は少ないままで、新規のファンは付きにくい。  小説を読まないわたしの友人は、時代に取り残されて消えていったコンテンツなんか数多くあるから、小説も本当に面白いのだけを書籍化して高額で売る高

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