つるよしの

ただ平熱のままで、この世を生きていく覚悟
出会いもあるし、別れもある。 だけどそれが物語の全てではなく。 事件は起きるし、主人公のターニングポイントになるような事故もある。 だけどやはり、それもドラマチックに物語を掻き立てるものではなく。 平熱のまま、つまりは、主人公の体温そのままの熱で、ストーリーが運びます。 「どこにどう熱を持って、人生を辿れば良いか」 毎回、更新のたびに、常にそう問われていたような読後感がありましたが、 ああ、ただ、平熱のままで生きるだけで、 人間は十分な生き物なのだと最後まで読んで腑に落ちました。 特に最後の1ページはこの物語の象徴のようで、清々しく潔い幕切れでした。 このページを味わうためだけにも、この小説を読む価値があるし 読んでいて良かった。そう思いました。 ぜひ、この小説のページをめくりかけた方は、最後まで読んで下さい。 まとまらない感想ですが、 心に何時までも残る物語をありがとうございました。 心より感謝いたします。
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過分なお褒めの言葉を頂いてしまい恐縮しております。まあ、書いたのは私ではなく、10年前の私なわけですが。 テーマとかいうほど大げさなものではないですが、人生には取り返しのつかない喪失や、癒やしようのない絶望が溢れていて、それは抗ったり乗り越えたりするものでなく、ただそういうものとして受容する他ないのだ、と。そのうえでなお、というかそこからスタートして初めて、人は痛みは痛みとして、夢は夢として、ともに抱いて生きていくことができるのではないかな、と。10年前の自分はそんなことを思っていたような気がします。    あれこれ語りたい気持ちはあるのですが、今の自分がしたり顔で何か言うのは、10年前の自
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