高橋多探

多重構造のタイムリープ
まずは一言。完結おめでとうございます。 そしてお見それしました。 物語の構想からキャラクター造形まで、私には書けない文章ばかりで最初の一ページから最後までノンストップで読み終わりました。 実をいいますとこういう女性的な青春ロマンスは初めて読みました。 女性が主人公で両サイドを男性が支えるというものは王道と認識していますが間違っていますか? しかしその一言で片付けられない魅力的なキャラクタ。 宵さんも碧さんも鏡会わせのようで反対というより点対称ですね。 相性がいいのか悪いのか……。意見が分かれる処です。 私には冒頭に告げられた罪状および刑罰は「救済措置」であるとわかりました。 彼女はやり過ぎましたね笑 人生においてトライアンドエラーは必須スキルですが「そういうことじゃないです」と思わず突っ込まずにはいられませんでした。 これでは例え成功をつかんだとしても何のための人生かわかりません。 面白くもなんともないでしょう。 それをやり直させる。 刑罰の基本原則が犯罪者の更生であると言う観点からも妥当です。 そして感服したのは紅さんの精神力です。 それまでやってきた行状を考えると並の精神ではできませんが、それにしても「リセット」されて、能力を「封印」までされて、それでも「やってやる!」と立ち上がる勇気。 ここに碧さんの優しさがありますね。 最初、碧さんは終始挑発しっぱなしでした。 これは紅さんの性格を熟知していたからこそ、やる気にさせるために、彼女を導くために、そうしていたのだと読み終わった今ならわかります。 監視者を越えて保護者でした。 宵さんは男性からみても魅力的です。 たぶんしれっと二人を差し置いて人気投票でトップとるやつですよ彼は! 紅さんはキーポイントで選択を迫られますが、等価交換の原則をきちんと踏襲しており読者も一緒に選択を迫られ素晴らしい緊張感を得ました。 感動ポイントを上げるとキリがありません。 素晴らしい物語をありがとうございました。 追記 読み終わった今、私は密かに期待しております。 一ノ瀬紅さんと蓮城碧さんとの法廷ドラマスピンオフを!

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