倉田京

糊きいたシャツで身を固めた彼はやり手の弁護士に見えた。いやそのものだった。 かける言葉が見つからず呆然とする私に、やり手の弁護士は趣のある低い声でゆっくりと話しかける。 「見た目が全てなんですよ。言葉遣いや知識、振る舞いなんかはビジュアルの前では些細な違いでしかない」

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